認知症カフェ「カフェ瀬戸の海」~活動報告~

活動報告

令和5年7月11日(火)

梅雨の合間の暑さに、今年の夏も厳しくなりそうな予感がする今日この頃。
今回のカフェ瀬戸の海では、「バランスの良い食事」と題して、普段の食事や栄養についての講義を管理栄養士の先生に行なっていただきました。

高齢者が陥りやすいフレイル。そこから抜け出すには運動や活動などの要素もありますが、やはり一番大切なのは食事です。特に栄養のバランスがとても大切で、多くの種類を偏ることなくまんべんなく摂取することが求められるとのことでした。また青魚に含まれるDHAは脳の活性化に効果があるとされており、普段から意識して摂取すれば認知症予防につながるかもしれないそうです。

最後にグループワークを行いました。「みそ汁に肉や野菜を入れて豚汁にして食べるようにしている。」「青魚を意識して食べられるように、朝食には必ず鰯をつけるようにしている。」など多くの意見が聞かれ、大いに盛り上がっていました。普段の食事を意識的に見直し、少しの工夫を加えるだけでも大きな効果が期待できるのではないでしょうか。これから夏本番!夏バテしないためにも、食事に対する意識や工夫のヒントが皆さんのお役に立つことができれば幸いです。


令和5年6月13日(火)

今年は梅雨入りが例年より早く、鬱陶しい天気が続いている今日この頃。今回のカフェ瀬戸の海では「知りたい介護サービス」と題して、玉野市介護支援専門員協会より講師の方をお招きして介護サービスについての説明や紹介を行なっていただきました。

今回は介護保険の施設サービスについて重点的にお話をしていただきました。聞きなれた施設の種類から、比較的新しく導入されたサービスを一つづつ丁寧に教えていただき、参加者の皆さんも真剣に話を聞いておられました。特に金銭面についてもお話をしていただけたので、施設サービスを利用するときの一つの目安となるのではないでしょうか。

最後にグループワークを行いました。まだ利用するまでには早くても、いざという時の選択肢は多い方が良いもの。参加者の皆さんにとって今回のカフェでの経験が、いざという時の検討材料になれば幸いです。特に介護保険はまだ既存の制度と比べても比較的新しい制度で、日々改変がされており専門職でも分かりにくい制度です。そんな介護保険を少しでも身近に感じていただけたのではないでしょうか。


令和5年4月11日(火)

桜の花は見ごろを終え、葉桜の緑が初々しいこの季節。今回は新年度初回ということで、毎年恒例の河口先生より「認知症への理解」と題した講演会を行いました。今回も例年通り多くの方々にご参加いただくことができました。

毎回、認知症についての基本的な考え方や最新情報などを分かりやすく教えていただいており、今回も新しい見解として「超高齢者のアルツハイマー型認知症は病気ではなく老耄(ろうもう)である。」「アルツハイマー型認知症は特殊な病気ではなく、老化であり誰にでも起こりうること。」といった認知症研究者の言葉をご紹介してくださりました。つまり認知症は老化という自然現象の一部であり、ごくありふれたものだということです。

講演後にはグループワークを行いました。90歳近い方でもスマートフォンを使い情報を集めたり、動画を楽しんだりと若者さながらに使いこなしておられるそうです。河口先生は「認知症の進行を遅らせるには、それまでの生活を続けることが一番。」と言われていました。その人ができること、したいことを大切に継続できるように支援することの大切さが今回のカフェを通して地域に広がってゆけば「認知症になっても安心できる社会」の実現に一歩近づくのではないかと感じました。


令和5年2月14日(火)

2月ももう半ば。一年で一番寒さが厳しく、春の訪れが待ち遠しいこの季節。

1月はお休みだったため、今回が今年初となったカフェ瀬戸の海。今回は昨年開催した玉野市認知症セミナーの第3部シンポジウム「本人が主体で考えられる地域づくり」を鑑賞し、「認知症になっても安心できる地域づくり」について皆さんと一緒に考え、認知症の理解を深めました。

シンポジウムではご家族の体験談から認知症カフェの在り方まで、幅広い意見交換が行われました。中でも丹野智文さんの「もっと認知症の人と話をしてください。」という言葉がとても皆さんの心に響いた様でした。「なんで認知症になったからってデイやカフェで折り紙や塗り絵をしなきゃなんないの?」「何がしたいの?って聞けばいいだけじゃない。」認知症当事者だからこそ説得力のある言葉です。

最後に皆さんでグループワークを行いました。会場は大いに盛り上がり、時間になってもまだまだ話し足りない雰囲気でした。各グループからは様々な意見が聞かれました。イベント終了後、お一人の参加者の方が「私は母の声に耳を傾けていたのかなぁ。もっと母と話をしてみようと思います。」と言われていたのが印象に残りました。今回のカフェが認知症の方と私たちをつなぐ何かのきっかけになればとても嬉しく思います。


令和4年12月13日(火)

本格的な寒さの到来とともに年末の慌ただしさを感じる季節になってまいりました。
今年最後のカフェ瀬戸の海では、毎年恒例の「介護家族の体験談」を行いました。今年は2名の方にお話を伺い、介護の大変さだけでははく、介護を通じて得られたものなども教えていただくことで、参加者の方に介護をより身近に自分事として捉えていただける機会となりました。

家族介護は自分にとって一番距離の近い方を介護するため、関係性がとても重要になります。例えば実の親と義理の親では、微妙に距離感が違うため介護に対する考え方や想いも変わってくるもの。また家庭の中では女性が母親の役割と妻の役割など、一人で複数の役割を持つことが多く、その役割ごとに関係性が変わってくるのも特徴です。

お二人のお話を伺った後、参加者の皆さんで意見交換を行いました。高齢の参加者の方からは「自分も介護をしていた。自分の母親が祖母を世話をしているのを見ていたので、当たり前のことと思っていた。」との意見を伺いました。核家族化により同居家族が減少していることも、介護の問題をより複雑にしているのかもしれません。しかし体験談の中で、介護を通して家族が一つのチームとなり、より関係性が深まったとのお話もいただきました。世代に関係なく一人一人が認知症を正しく理解することで、介護家族の負担が軽減し認知症の方がより暮らしやすい環境が整うのではないかと思いました。

午後からは今回特別に中国銀行より認知症とお金に関してのお話がありました。認知症になり自分での判断ができなくなってしまった場合、銀行での取引はできなくなってしまいます。そこで認知症になる前から成年後見制度を利用したり、認知症に備えて行える貯蓄管理などを教えて頂きました。最後には質問タイムがあり、個々の参加者の相談に応じていただきました。皆さん熱心にお話を聞いておられ、認知症に関するまた別の視点での理解が深まったのではないかと思います。


令和4年11月8日(火)

山も赤や黄色に紅葉し、過ごしやすい日々が続いている今日この頃。
今回のカフェ瀬戸の海では、6月に開催した玉野市認知症ケアパスについての勉強会の第2弾を行いました。

今回のお話は6月に行ったケアパスについてのお話の続きで、実際に認知症のなった場合の対応の仕方やどんなサービスがあるのかなどのより具体的なお話となりました。認知症で介護が必要な場合、どんなサービスがあるのか?どんな対応が必要なのか?など、とても分かりやすく皆さんにお伝えできたことと思います。

最後には皆さんで感想や意見交換を行い、情報の共有を行いました。今回得た知識や経験を自分の中だけで留めておくのではなく、地域や周りの方などに伝えてゆくことで、地域での正しい認知症の理解に繋がってゆくのだと思います。そして地域の中で正しい認知症の理解が進むことで、今年のテーマである「認知症になっても安心できる玉野」に向かってゆけるのだと思いました。


令和4年10月11日(火)

10月に入り、少し涼しくなってはきたものの、朝夕の寒暖差が激しく体調面には少し厳しいこの季節。
今回のカフェ瀬戸の海では玉野市の危機管理課より講師をお招きして「備えよう防災」の出前講座を行いました。

初めに玉野市のこれまでの災害に関するお話がありました。岡山という災害とは少し縁遠いと思われていたところでの災害であったため被害がより大きくなったのではないかとのことでした。どうしようか?と悩む前にまず避難、後で何もなければそれが一番良い。この考え方がとても大切なのだそうです。

一人での一時避難が困難な方は玉野市が管理する避難行動要支援者名簿への登録がおすすめです。また避難所での生活が難しい方には、日頃からケースワーカーなどと相談し介護施設への受け入れを約束しておくことも防災に繋がるとのことでした。避難所は地域の方が中心になって運営を行います。そのため地域での認知症への正しい理解が欠かせません。これからも認知症になっても安心できる玉野が実現できるよう、認知症について地域の方々と共に一層理解を深めてゆければと感じました。


令和4年9月13日(火)

9月に入ってもまだまだ暑いこの季節。秋の訪れが本当に待ち遠しく感じます。
今回のカフェ瀬戸の海では薬剤師の先生をお招きして「薬について」の勉強会を行いました。

今回も前回に引き続きダテ薬局の薬剤師の先生2人と薬剤師を目指して目下実習中の学生1人、計3名による講義となりました。まず初めに実習生より薬剤師になるためにはということでお話がありました。カリキュラムの変更により4年制から6年制へと変わったそうで、より高度な知識と経験を求められているとのことでした。次に薬剤師の仕事についてのお話。薬剤師と一言で言っても仕事の幅は広く、薬局の薬剤師から行政として学校のプールの管理など幅広く活躍しているそうです。

最後に認知症についてのお話。実際に認知症の方も薬局を訪れるので、その際には服装や話の内容から推察し、行政に連絡することもあるそうです。医師の処方箋というエビデンスを持った薬剤師が、認知症の人に適切に関わることはとても大切です。認知症になっても安心して暮らせる社会の第一歩になるのかもしれません。


カフェ瀬戸の海とは